ごとふ動物病院院長が、肌トラブルで悩む飼い主さんへ直接アドバイス。
今回ご相談いただいた飼い主さんの愛犬はヨーキー。
肌トラブルにまつわる、さまざまなお悩みをお持ちです。
『ニコわん』と洗浄シャンプーを始めたことで、口周りやあご下など回復が見られる箇所もあるものの、お尻・耳の肌トラブルはまだまだ酷い状況。
また、リンパ球反応試験でNG食材がいくつかあり、心配を抱えておられます。
症状から、ベタベタ肌アトピーが見られます。
腸の状態が良くないことが一番の原因です。
そのため、ドッグフードに含まれるカイカイ物質「X-inducer」を過剰に吸収してしまい、皮脂腺が多いところ、お肌に到達してかゆみと炎症を起こしています。
回復には、お尻・耳まわりのクレンジングが必須!
クレンジングオイルで酸化した悪い油を取り除いてあげることが回復への第一歩です。
ステップ1:クレンジングマッサージ
クレンジングオイルを使って、優しくマッサージをします。
イメージは、人間のメイク落とし。
悪い油をしっかりと浮き上がらせるイメージで、優しく・しっかりとマッサージしましょう。
すると、だんだん茶色くなったり、ゴマ粒のような状態で汚れが浮き上がります。
お尻は尻尾をあげて肛門周り 耳は入り口から端までガサガサしている部分は、特に優しく!
痛いと思いますので、指の腹を使ってマッサージしてあげてください。
ステップ2:泡でシャンプー
100円ショップなどで売っている、泡用のボトルなどを使って、泡シャンプーを作ります。
水50ccに洗浄シャンプーをワンプッシュプぐらいを割り合いで泡立ててください。
その泡を使って、クレンジングオイルを流します。
仕上げは、お湯で流すか、濡れタオルで拭きあげてあげましょう。
泡にすることで、痛みなく洗い流すことができ、飼い主さんも楽ちんです。
クレンジングして流す作業は、だいたい2、3分で終わります。
泡シャンプーを使って、痛みのない・手軽なケアを。
症状の酷い箇所は、がんばって毎日行ってあげてください。
肌トラブルがある間は、『ニコわん』を食事に加えてあげましょう。
腸内環境を整え、カイカイ物質「X-inducer」を排出できるお腹を作ります。
ただし、ニコわんもサプリです。体質に合わないケースもあります。
お腹がゆるくなるなどの症状が出た際は、少量にするなど量の調節をしてください。
ニコわんと同時に、水溶性食物繊維を積極的にあげてください。
特に、水溶性と不溶性食物繊維が同時に取れる、すりおろしごぼうがおすすめです!
水用性食物繊維が、腸内細菌で分解されて短鎖脂肪酸に変わります。
この短鎖脂肪酸が、腸の粘膜の保護に必要なのです。
ただし、短鎖脂肪酸はそのまま摂取しても、腸に定着しないため
水溶性食物繊維を食べ、腸内細菌で消化分解しなくてはならないのです。
短鎖脂肪酸で腸を守りカイカイ物質「X-inducer」の吸収を阻止します
カイカイ物質「X-inducer」は、ドックフードの製造過程で発生します。
高温で焼き上げる際、炭水化物とタンパク質が結合することで生まれる物質です。
ジャーキーなど、家庭でオーブンなどを使った高温調理をする際にも発生するため
腸が弱っている際は、高温調理を避けるようにします。
水があれば炭水化物とタンパク質の結合「糖化現象」は防げます。
水煮をした手作り食がおすすめです。
リンパ球反応試験については、あくまで指標であり、一喜一憂する必要はありません。
この検査では、アレルギーの原因は分かりません。
ただし、食べてすぐに吐いてしまった食物があれば、それはアレルギーです。
アレルギーは、食べてから30分〜2時間以内に吐いたり蕁麻疹が出ます。
該当する食物はあげないようにしてください。